2013年3月2日土曜日

St David's Day

今日はウェールズの国の記念日 "St. David's Day"でした。
St Davidはウェールズの守護聖人で、18世紀に"national day of cerebration"として制定されて以来、ウェールズ人にとって自分たちのアイデンティティーを守るための最も大切な記念日として扱われてきました。

この式典は、ウェールズ議会とウェールズ国民投票によって一度は、国の祝日に制定されたものの、イングランドの中央政府によって否決され、認められませんでした。

しかしながらウェールズの人々は、たとえ平日であろうと、この記念日を大切にし、ウェールズの公共機関(学校、病院、市役所など)では時間を割いてみんなで盛大にお祝いします。

今回は平日だったので、僕の通っているYale collegeでも式典があり、留学生はウェールズの歴史について聞いたり、国旗をもらったりしました。

St David's Dayにはまずウェールズの国歌をウェールズ語で歌い、伝統的なネギとラムのスープを飲んでお祝いします。

大人たちは深夜までパブでどんちゃん騒ぎし、子供たちは民族衣装に着替えてダンスをしたり、合唱したりします。

いくら連合王国と言ってもやはりウェールズ人には自分たちの誇りと民族意識があり、外国人が勝手に「イギリス」でひとくくりにするのは良くないことだとあらためて痛感させられました

ウェールズの誇りと言えば"Y Ddraig Goch"(ア・ドライグ・ゴッホ)が有名です。これはウェールズの国旗に描かれている赤い竜のことで、ウェールズ人に取って特別な意味を持ちます。

通常キリスト教では竜=ドラゴンは邪悪な存在として扱われていますが、この赤竜は優いつの例外なのです。その理由はウェールズのケルト文化とアーサー王の伝説に由来します。

ケルト神話では赤竜が災厄を招く黒竜を打ち破って、地に平和をもたらした伝説があり、またあの有名なマーリンの予言において赤竜はアーサー・ペンゴラゴンのことでした。


そうした理由があり、チューダー家の王は赤竜を例外的に王のシンボルとして使うことを認め、キリスト教世界で唯一神聖視されるドラゴンとなったのです。

しかし残念ながら、この赤いドラゴンもユニオン・ジャックには描かれておらず、ウェールズ人にとっては自らのアイデンティティーを強く喚起させるものなのです。


去年はこの式典に参加できなかったので、本当に参加できてよかったし、ウェールズへの愛着がますますわいたSt. David's dayでした。

ウェールズ国歌-Land of my fathers

1 件のコメント:

  1. 映像を見たら本当にドラゴンづくしですごいね。
    伝統的な行事に参加できるチャンスも以外に少なかったりするので、できるだけ機会を見てウェールズの良さをしっかり感じとって伝えてね。タック

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